公益財団法人 放送文化基金様が主催する「全国制作者フォーラム」において、告知チラシ、ポスター、パンフレット、および受賞者へのメッセージカードなどのクリエイティブ一式を制作しました。
課題背景
「全国制作者フォーラム」は、全国の放送制作者が集い、学び合う重要な場です。サイトのリニューアルに合わせて各ツールの見せ方、機能を刷新をする必要があり、事前告知用のチラシ・当日配布用のパンフレット・番組コンテスト優秀者に贈呈するメッセージカード・ポスターを制作をしました。
チラシ・パンフレットでフォーラムの意義や熱量が伝わらない
例年のチラシ・パンフレットは、参加申し込みに必要な最低限の情報を掲載しているものでした。今回のチラシ・パンフレットでは、参加者に主体的な学びの場を提供するという事業目的に沿って、フォーラムの開催意義や熱量、参加者目線の魅力を伝えるツールとしてリデザインする必要がありました。
ターゲット不在のグラフィックデザイン
従来のツールは、全国の放送制作者という幅広い層に向けたデザインとなっており、どこかありきたりな印象を与えてしまっていました。先行してサイトのリニューアルからブランディングが変わったこともあり、若い制作者へも向けたデザインになるように、大きくデザインを変える必要性が出てきました。
メッセージカードの温度感のコントロール
イベント内での表彰は「ガチガチのコンペティション」ではなく、「参加者同士が称え合う場」という位置づけです。そのため権威性を感じさせすぎず、選ばれなかった人にも配慮した絶妙なラインを保つツールが必要でした。
プロセス
プロジェクトは、単なる表面的なデザインの刷新ではなく、フォーラム参加者側の視点や財団の出したい情報そのものを見直すところからスタートしました。
課題ヒアリング
担当者様へのヒアリングを通じ、進行上のボトルネック(直前での情報決定)や、イベント当日の空気感、参加者に持ち帰ってほしい体験を言語化しました。
デザイン提案
「未定の情報があっても先行して告知できるキービジュアル(KV)の確立」と、「若手の制作者にも響くトーン&マナー」を軸にしたアプローチを提案しました。
ブレスト・調整
「パンフレットの定型(三つ折り)からの脱却」や、「当日の現場オペレーションを変えずにデザインの刷新のみでどう特別感出すか」について議論を重ね、各ツールの役割を再定義しました。

アウトプット
全体を通じたビジュアルのアプローチとして、ターゲットとなる若手の制作者にも興味を持ってもらえるよう、放送文化基金のキーカラーであるオレンジ色を基調とし、タイポグラフィを主役にしたモダンでダイナミックなグラフィックを採用しています。
放送文化基金様の課題である認知力不足から、財団が制作者を支援する団体であり様々な支援の形を行っていることを伝えるセクションも設けました。
これにより従来の「フォーラムの情報のみを伝える」という方針を転換しました。
チラシ

パンフレット

チラシと同様に紙面の情報量を最適化し、スッキリとした洗練されたレイアウトを実現しました。

そして新たな要素として、今後のフォーラムのアップデートに向けて出てきたアイデアとして、参加者アンケートへ繋がる導線を設置しました。
さらに、放送文化基金様の主要事業である「助成」「表彰」「人材育成支援」についての紹介ページを設け、WEBサイトへの導線を設けつつ、フォーラム以外の活動への理解も深める構成にしました。
メッセージカード

受賞者に手渡されるメッセージカードは、「現場のオペレーションを変えずに、もらった時の嬉しさを最大化する」ことを目指しました。

事前にゲスト名や番組名を印字したカードを想定される組み合わせ分を用意し、当日ゲスト審査員が直筆で激励の文章と署名を書き込めるように設計。
これにより直前の作品決定にも対応でき、「その人が自分のために書いてくれた」というワンオフの特別感も演出しています。また、厚紙印刷を採用することで、権威張りすぎないカジュアルさの中にも「記念品」としての確かな質感を担保しました。
ポスター

先行告知から一貫したブランディングを保つため、チラシのデザインを踏襲し、ポスターサイズへとリサイズして展開。会場や関係各所での視認性を高めました。
成果
特に課題が改善されたと思うツールについて教えてください。
チラシです。今まで放送文化基金を知らない人にどうアプローチするかが課題でした。
今回デザインを刷新するにあたり、イメージや要望に対して丁寧に応えていただきました。
若い制作者の人にも自信を持って配布できるチラシになったと思います。
参加者や関係者の方々からのリアクションについて教えてください。
「スタイリッシュになった」との声を頂きました。確実に露出は増えたと思います。
その他、印象的だった部分について教えてください。
チラシやパンフレットづくりを通して、フォーラムを開催する意義を再確認できました。
さらに、当基金は今まで対外的にアピールする視点が弱かったのですが、今回のチラシなどのデザインを通じて確実に多くの人の目に触れたと感じています。
フォーラムの活動を通じて、当基金の助成事業や、放送文化基金賞といった表彰事業を知るフックにしていく視点が得られたこともありがたかったです。
セクション分割
用いたデザインメソッド
VALUE PROPOSITION CANVAS -独自価値-
セクション分割
チーム
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Client公益財団法人 放送文化基金
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Creative Direction日野 祥太郎(DSCL Inc.)
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Art Direction日野 祥太郎(DSCL Inc.)
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Facilitation大竹 沙織(DSCL Inc.)
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Design日野 祥太郎(DSCL Inc.)
(チームメンバーの所属などについては、プロジェクト当時のものです。)
リリース
2026年2月