大手台湾企業のPET事業 日本法人の存在意義を伝えるブランドデザイン

大手台湾企業のPET事業 日本法人の存在意義を伝えるブランドデザイン

遠東新世紀日本株式会社

「遠東新世紀日本株式会社(以下、FEJP)」は、台湾を代表する石油化学・繊維企業「遠東新世紀グループ」の一員として、PET素材の販売を担う日本法人です。

リサイクル・バイオ由来のPETなど、環境に配慮した製品を提供するFEJPは、30年以上にわたり日本市場での信頼を積み重ねてきました。

今回のプロジェクトでは、日本法人を立ち上げるというタイミングで、事業の提供価値や企業の存在意義、目指す未来を伝えるためのブランディングツール(コーポレートサイト、会社紹介パンフレット、その他展示会ポスターなど)を制作しました。

課題背景

目に見えづらい事業価値や社会的な意義を伝える

具体化しづらい事業価値

FJEPは、PET(ポリエチレンテレフタレート)を主軸とした素材の提供を行う企業です。

石油由来のバージンPETはもちろん、リサイクルPETやバイオPETといった環境配慮型の製品を強みとし、国内外のサプライチェーンを支える存在であるにもかかわらず、その規模感や価値がビジュアルで伝えづらいという課題がありました。

特に、事業社向け取引が中心のため、完成された「製品写真」や「使われ方」の具体例を前面に出すことが難しく、素材そのものの魅力や機能、さらには企業の存在意義を、どのように可視化していくかを設計する必要がありました。

「環境と産業の調和」というテーマのビジュアライズ

PET素材はリサイクルしやすい素材として、環境負荷の低減において非常に重要な役割を果たします。

しかし、サステナビリティという言葉が社会に浸透する一方で、その実現に貢献する「素材メーカー」がどのように社会を支えているのかまで深く知られることは多くありません。

FEJPは、30年以上にわたり日本市場において環境配慮型素材の供給を続けてきた実績があり、信頼がありながらも創新的で、かつ環境に優しい製品を扱っているという強みをを、根拠となる事実だけでなく視覚的にも伝える必要がありました。

プロセス

対話と解釈を重ね、「サステナブルPETで社会を牽引する存在」という姿を構築

多層的なヒアリングで、企業の存在意義を構造化

プロジェクトは、クライアントへのヒアリングから始まりました。 「製品の特性」「サービスの強み」という表層的な情報だけでなく、顧客の課題、リサイクルPETの歴史、日本法人の設立背景や想い、社員のみなさまが感じているやりがいなど、多角的な視点での対話を重ねました。

ヒアリングで得た情報を「顧客への存在意義」「社会への存在意義」「社員への存在意義」に分けることで、事業の特徴や方針にどのような意味があるのか、ブランディングの核となる企業の存在意義を明確にしました。

デザインの方向性を共通言語としてキーワードに収束

ヒアリングを通して浮かび上がった存在意義をもとに、チーム内で解釈を進めながら、「これまでもこれからも、サステナブルPETで社会を牽引する存在へ」というビビジュアルづくりのキーワードを策定しました。この言葉は、ビジュアライズ全体の指針となる軸となりました。

このキーワードは、デザイントーン、グラフィック、写真による表現など、ビジュアライズ全体について、制作者とクライアントが同じ方向を目指すための重要な軸となりました。

アウトプット

抽象的な価値を表現するビジュアル設計

キービジュアル

製品そのものので事業価値を伝えることが難しい中で、「環境との調和」「社会を牽引する存在」「30年以上の実績」といった抽象的な価値をビジュアルで表現する必要がありました。

そこで、実際の製品や、製品を想起させる素材を使用してミニチュアの街を構成。環境を想起させるグリーンや、FEJPのコーポレートカラーであるネイビーを織り交ぜ、抽象的な価値を具体的なビジュアルで表現しました。

デザイントーン

「これまでもこれからも サステナブルPETで社会を牽引する存在」を軸に、社会全般に馴染むシンプルなデザイントーンを目指しました。

わかりやすい写真と端的なコピーで洗礼された印象を与える、余白の取り方で「空気感」や「格」、ビジネスの成熟度や精度を演出するなど、具体的な表現方法をご提案。

さらに、ユーザーの閲覧体験(UX)の観点からも、シンプルにすることでUIの一貫性と明瞭な導線設計により、ユーザーが迷わず、快適に使えることを目指することで合意しました。

コーポレートサイト

会社紹介パンフレット

営業・展示会など対面の場面で活用する企業紹介ツールとして制作しました。

その他のブランディングツール

オンライン会議用の背景画像や会議室のサインパネル、展示会用のポスターなど、空間演出も含めたて一貫してブランドを伝えるツールを制作しました。

成果


プロジェクトをふりかえり、 クライアントからは下記のコメントをいただきました。

制作プロセスの中で印象的だった部分を教えてください。

ヒアリング段階では、丁寧に対話を重ね、初期段階で会社の概要や目指すべき姿をしっかりと共有できた点が印象的でした。その後も、定例会の中で実務的な内容を一歩ずつ詰めていく進め方に安心感がありました。

また、コンテンツづくりの段階では、こちらが提供すべき情報を適切に選別していただき、まとまった内容に整理してもらえたと感じています。加えて、必要に応じてフットワーク軽く現地調査も行っていただき、結果として地に足のついたアウトプットになったと思います。

ウェブサイトの課題は、どのように改善されたと感じられていますか?

グループ会社であるFIGPとの統一感もありながら、商社としての「ものづくり」だけでなく、社会の改善に寄与するというソフト面にも重きを置いたテイストのウェブサイトになったと感じています。

FEグループ全体との整合性も考慮された上で、より先進的なイメージに仕上げていただきました。

セクション分割

用いたデザインメソッド

DATA WALL -情報壁面-

VISION & MISSION -目的共有-

VISUALIZATION -図解作成-

DESKTOP RESEARCH -二次情報-

DEFINE KEYWORD -言葉定義-

CLUSTERING -情報分類-

VALUE PROPOSITION CANVAS -独自価値-

DESIGN PITCH -提案研磨-

CONCEPT SHEET -意図記述-

セクション分割

チーム

  • Client
    遠東新世紀日本株式会社(FENC (Japan) Corporation)
  • Produce
    大澤 允之(BOOSTAR INC.)
  • Creative Direction
    日野 祥太郎(DSCL Inc.)
  • Art Direction
    日野 祥太郎(DSCL Inc.)
  • Facilitation
    大竹 沙織(DSCL Inc.)
  • Design
    谷津 吉宣(DSCL Inc.)
  • Technical Project Management
    扇 克至(株式会社トゥーアール)
  • Technical Project Management
    小林 信次(株式会社まぼろし)
  • Technical Project Management
    小糸 洋子(株式会社ファクトリアル)
  • Front-end Development
    宮島 敬太(株式会社まぼろし)
  • Front-end Development
    反中 美幸(株式会社ファクトリアル)
  • Front-end Development
    大出 直樹(株式会社ファクトリアル)
  • Image Direction
    shuntaro(株式会社bird and insect)
  • Image Direction
    堤 瑛璃奈(株式会社bird and insect)
  • Prop Styling
    堤 瑛璃奈(株式会社bird and insect)
  • Photograph
    山田 陽平(株式会社bird and insect)
  • Retouch
    野口 章子(株式会社bird and insect)
  • Produce
    磯貝美来(株式会社bird and insect)

(チームメンバーの所属などについては、プロジェクト当時のものです。)

リリース

2025年9月