ベンチャーの熱量を伝えるエンジニア採用デックのアートディレクション

ベンチャーの熱量を伝えるエンジニア採用デックのアートディレクション

株式会社ギークプラス

株式会社ギークプラスは、自動搬送ロボットやクラウドソフトウェアを通じて「次世代に残せるデジタル物流インフラ」を創ることを掲げる物流テックカンパニーです。今回のプロジェクトでは、同社ソフトウェア事業部のエンジニア採用に向けた採用デック(会社紹介スライド)のアートディレクションとデザインを担当しました。

先方で作成された情報構成案をもとに、求職者に「先進的でありながら、社会を支える大きな事業に関わるベンチャー」というイメージが伝わるビジュアルへと落とし込んでいきました。

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課題背景

ソフトウェア事業部単体のVI(ビジュアルアイデンティティ)が存在していなかった

ギークプラスは複数の事業を展開しており、ソフトウェア事業部として単体で打ち出すためのビジュアルアイデンティティが整っていない状況でした。そのため、既存のコーポレートの世界観を踏襲するだけでは、事業部の強みや独自のカルチャーを十分に表現できません。アートディレクションの起点となる軸づくりから、プロジェクトをスタートする必要がありました。

エンジニアが流し見しても、印象に残るデザインであること

採用デックは、候補者がじっくり読み込むとは限らず、スクロールやパラパラめくる過程で一瞬だけ目に触れるケースも多いドキュメントです。そのため、ページを流し見しただけでも世界観が伝わり、記憶に残るビジュアルトーンを設計することが求められました。

物流に詳しくない求職者にも、事業価値が分かりやすく届くこと

ソフトウェアエンジニアの求職者は、物流業界に明るいとは限りません。専門用語や業界の前提知識に頼らず、物流の社会的な意義や事業のスケール感が直感的に伝わるビジュアル表現が必要でした。同時に、物流に対して持たれがちな「レガシー」「堅い」といった既存イメージを払拭することも、重要なテーマでした。

プロセス

求職者に届く「先進的なベンチャー感」を、ビジュアルで翻訳する

1. ヒアリング:参考スライドを起点に、訴求したいイメージを言語化

プロジェクトの初期段階では、クライアントが魅力的に感じている他社の採用スライドを題材に、求職者へどのような印象を届けたいかを丁寧にヒアリングしました。そこで浮かび上がってきたのは、次の2点です。

  • 物流の既存イメージ(レガシー感・堅い感)は出したくない
  • 先進的な感じ・ベンチャー感を出したい

同時に、「巨大な物流業界の中で、先進的なベンチャー企業として挑戦している」という、同社ソフトウェア事業部ならではのポジションを、デザインの軸として共有しました。

2. 方向性策定:CEOメッセージを起点に、3つのデザイン案を展開

ギークプラスの採用デックには、求職者へ向けたCEOメッセージが収録されており、そこには事業の魅力や思想が凝縮されていました。このメッセージのどの側面を強調するかを切り口に、次の3方向のデザイン案を制作しました。

  • A案:テック企業としての側面を訴求する案
    「スピード感・加速・向上・透明性」をキーワードに、在庫や倉庫を象徴する立方体が加速していく表現を用いました。
  • B案:物流・インフラに関わる側面を訴求する案
    「重厚・安定・大規模」をキーワードに、写真やボールドな書体、大きなフォントサイズで、物流の規模感やインフラとしての重みを表現。重苦しくならないように、手触り感のあるテクスチャを添えてバランスを整えました。
  • C案:チームとして仲間と一緒にプロダクトを作っていく側面を訴求する案
    「安心・人・にぎやかさ」をキーワードに、具体的なメンバーの姿を見せたり、skylaaやGeek+のロゴから着想を得たエレメントを散りばめることで、チームの雰囲気やとっつきやすさを表現しました。

いずれの案も、プロダクト「skylaa」に由来するビジュアル要素を共通言語として用い、スライド全体の密度や情報整理によって「先進的・ベンチャー感」を損なわないよう設計しています。

3. 提案・調整:B案を軸に、物流の「大きさ」をポジティブな価値へ

クライアントとの議論を経て、物流・インフラの規模感を正面から訴求するB案を軸に制作を進めることになりました。

求職者にとって、「市場規模が大きい」「社会インフラとして不可欠である」という事実は、挑戦しがいのある事業領域を示すメッセージとして機能します。堅さや重さを感じさせすぎないよう、書体選定・写真の使い方・テクスチャの配分を細かく調整し、最終的なデザインへと仕上げていきました。

アウトプット

ソフトウェア事業部 エンジニア採用デック

会社概要、物流業界の現状、プロダクトskylaaの紹介、開発組織とカルチャー、働き方までを網羅する全5章構成の採用デックを制作しました。重厚感のある書体・写真表現と、余白・情報整理によるベンチャーらしい軽やかさを両立させ、流し見でも「大きな事業に関わる、先進的な組織」という印象が残る設計としています。

成果

特に課題が改善されたと思う部分について教えてください。

エンジニアは圧倒的な売り手市場と言われるなかで、いかにして多くのスタートアップの中からギークプラスという会社を転職の選択肢に入れてもらえるかが重要となります。そのためには、まず候補者の目に留まるということが必要であったため、弊社からの要求のひとつとして、デザイン性が高く他社と差別化できうる採用資料をお願いさせていただきました。

デスケル様からはいくつか候補を出していただき、その中で最も特徴的で、他社にあまりないデザインのものをあえて選定しました。

当初はデザインを重要視したいという抽象的な要求に過ぎませんでしたが、幾度かの打ち合わせを通して適切に具体化いただき、カタチにすることができました。

社内メンバーや求職者の方々からのリアクションについて教えてください。

Figmaファイルでいただいた納品資料はFigma Slidesとして内部で管理し、内容をテンプレート化して他のプレゼンテーション資料においても転用しています。

デザイン性が高い資料を作る上でのファーストオプションとして社内で有効活用されており、ソフトウェア事業部で公開している様々な資料のデザインのベースとなっています。

セクション分割

用いたデザインメソッド

DATA WALL -情報壁面-

VISUALIZATION -図解作成-

CONCEPT SHEET -意図記述-

セクション分割

チーム

  • Client
    株式会社ギークプラス
  • Creative Direction
    日野 祥太郎(DSCL Inc.)
  • Art Direction
    大竹 沙織(DSCL Inc.)
  • Design
    大竹 沙織(DSCL Inc.)

(チームメンバーの所属などについては、プロジェクト当時のものです。)

リリース

2026年2月