映画「HELLO WORLD」は、人気アニメ「ソードアート・オンライン」シリーズの伊藤智彦監督が、近未来の京都を舞台に描いたオリジナルのSF青春ラブストーリーです。
弊社では、アドバイザーとして脚本や舞台設定の段階から関わり、物語の舞台となる未来の世界についての考証を行いました。
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課題背景
観客に「本当にありそう」と現実感を持ってもらうことが重要な要素
既存のアニメーションファンだけでなく、様々な人にアニメーション映画を楽しんでもらうためには、観客に「本当にありそう」と現実感を持ってもらうことが重要な要素です。
弊社では、劇中に登場する企業の活動を検証することを通して、「HELLO WORLD」の舞台となる「2027年の京都」がどのような姿になるのかを考証していきました。
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コンセプト
実現可能性まで検証することで「ありそうな未来」を
今回重要視したのは「ありそうな未来」にすることです。
そのために、技術の進歩を予測するだけでなく、それがどこまで社会に実装されているのかも検証しました。
未来の設定考証を行うには、一つの要素だけでなく、世の中全体の変化を考慮することが必要なのです。
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プロセス
今回、私たちに期待されていたのは、実際に「未来のコミュニケーションのデザイン開発支援」など技術的な知見が必要なデザインに関わっていることで、実現可能性などが判断できるという点でした。
「10年後の街の景観をどう設定するか?」「10年後、世界規模の企業の研究室では何が行われているだろうか?」などの問いに対して、劇中に登場する企業の活動を予測することを通して検証しました。
1.未来の企業を取り巻く前提を考証する
劇中に出てくるような未来の技術が加わった場合、企業がどんな事業を行うのかを考察するところから始めます。
そのためには、その企業を取り巻く状況や、その企業がなんの目的で、誰に向けて事業を行なっているのかなどの前提から考察する必要があります。
劇中の企業に近い、現実にある企業がどのようにデータを活用したり、どんな製品を作っているのかを調査することで、前提を考察しました。
2.昔と今と比較して、変化している要素や変化の進度を考察する
スマートフォン、車の自動運転、ドローンや画像認識などの技術的な要素について、実現していることや研究されていることをもとに、その延長線上にある技術を考察します。
そして、10年前の映像や画像を見ながら当時の景観と現代の景観を比較し、どのくらいの進度で景観が変わっていくのかも分析します。
これにより、技術の進歩だけでなく、それが社会の中でどのように受け入れられていくのかを考察することができます。
3.可能性の高い実装方法を検討する
企業をとりまく状況や、技術的な進歩、社会で実装されていく進度を掛け合わせ、10年後の未来がどのような姿になるか、技術が人々にどんなふうに使われるかを検討します。
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成果
「アニメーション制作の現場にとって、監督や脚本家の知見に頼るだけでない、新しいアプローチができた。」
人々の生活や企業の持つ技術の進歩が複雑化、高速化している中で、「ありそうな未来」を描くことは、難しくなってきていると言えます。
アドバイザーと一緒に舞台設定を検証することで、監督や脚本家の知見に頼るだけでは得られない詳細な設定ができます。
クライアントである『株式会社グラフィニカ』の担当者の方には「アニメーション制作の現場にとって、監督や脚本家の知見に頼るだけでない、新しいアプローチができた。」とコメントをいただきました。
映画「HELLO WORLD」公式サイト
https://hello-world-movie.com/
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用いたデザインメソッド
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チーム
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Client株式会社グラフィニカ
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Research落合 健太郎(DSCL Inc.)
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Research平野 友規
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Assistant村上 由朗(DSCL Inc.)
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Assistant大江 なつみ(DSCL Inc.)