『株式会社リコー』のサービス「RICOH Chatbot Service」は、企業のウェブサイトなどに質問に自動で応答する機能をつけることで、問い合わせ対応業務をサポートするサービスです。弊社では、議論のファシリテーションやUI/UXによるサービス開発を支援し、現在も新機能追加などの際にUIデザインで支援をさせていただいています。
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課題背景
このプロジェクトは「大まかな仕様は決まっているものの、本当に使えるものにするにはどうすればよいか」という依頼からスタートしました。そこで、UIの形や色を作る前に、サービスの目的や機能、具体的なユーザー像、使い方など、「どんなサービスなのか」の解像度を上げるところから取り掛かりました。
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プロセス
作るものの解像度がまだ低い状態からスタートするには、プロジェクトメンバー同士での意思疎通をスムーズにし、的確な議論を行うことが必要です。そのために私達は、話しやすいチームの雰囲気と、意思疎通を助けるツールを作ることで受注/発注の関係ではなく「協働するチーム」として、プロジェクトを進めました。
1.的確な議論を行うためのツールをつくることで、チーム全員がサービスの目的や意図を明確にわかっている状態に
今回のプロジェクトには、様々な立場の人が関わっており、打ち合わせの人数は10人になることもありました。チームで議論を行うためには、認識がバラバラなものを言語化・視覚化して、それらの定義をチーム内で統一する必要があります。
例えば、一言に「ユーザー」と言っても、「質問をする人」「チャットボットの設定をする人」「チャットで対応する人」「サービスを導入する人」などがいます。どの「ユーザー」を指しているのかによって、話の内容は大きく変わってしまいます。チーム内で認識がずれていると、話の意図が伝わりづらくなり議論が的外れになってしまうのです。
そこで私達は、ややこしい言葉や抽象的な言葉を具体的に定義したり、図解したシートをクライアントと一緒に作成しました。
そしてサービスの目的、具体的な使い方、ステークホルダーマップ、ユーザーペルソナ、企業ペルソナなどを定義しながらブラッシュアップしていきました。作ったシートはいつでも指差しながら話せるツールとして活用しました。
2.話しやすいチームの雰囲気をつくり、ミーティングを誰もが立場を超えて率直な意見を出し合える場に
プロジェクトマネージャー・外部のコンサルタント・フロントエンジニア・バックエンドエンジニア・デザイナーなど、背景の違う人々がチームとして協働するためには、話しやすい雰囲気を作り出す必要があります。キックオフの際に食事会を開催したり、メールではなくSlackを非同期コミュニケーションのツールとして使用したり、ミーティングでは発言を促すようなファシリテーションをすることで、堅苦しくなりがちなミーティングの雰囲気を変え、立場や上下関係に関わらずだれでも意見を言える/聞ける場を作りました。
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成果
ウェブアプリケーション初心者にとっても使いやすいインターフェースを実現
デジタルサービスは、チーム全体が同じ評価基準を持てていないと、あれもこれも入れたくなってしまい、結果「多機能だが使いにくいUI」になってしまう事がたびたび起こります。そこで、的確な議論ができるチームづくりを最初に行うことによって、コンセプトに沿った的確なインターフェースを実現することができました。
また、アプリ全体のUIルールや操作フローを統一することで、ウェブアプリケーション初心者でも多様な機能を使いこなせるサービスになりました。
さらに、このサービスで設計したUIのルールは、クライアント様の他のサービスにも応用されることになりました。実際にいくつかのサービスへの適用が始まっています。
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用いたデザインメソッド
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チーム
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Client株式会社リコー
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Direction落合 健太郎(DSCL Inc.)
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UX Design大竹 沙織(DSCL Inc.)
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UX Design白砂 貴行(DSCL Inc.)
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UI Design白砂 貴行(DSCL Inc.)
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UI Design戒能 孝祐(DSCL Inc.)
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UI Design楠 侑磨(DSCL Inc.)
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Front-end Development落合 健太郎(DSCL Inc.)