「中冨記念くすり博物館」は、佐賀県鳥栖市にある「くすり」をテーマにした博物館です。
この博物館は、これからのくすりと健康について考える生涯学習の場として、久光製薬株式会社の創業145周年の記念事業として設立されました。19世紀末にロンドン郊外にあった薬局「アルバン・アトキン薬局」の移設展示、四季折々の薬用植物を楽しめる「薬木薬草園」など、大人から子供まで楽しめるの体験型の展示が多いことが特徴です。
そんな「中冨記念くすり博物館」が、2021年4月にリニューアルオープンを迎えました。リニューアルオープンで新しく追加された、タッチパネルを使用した展示コンテンツ「ミュージアムクイズ」のGUIを弊社で担当しました。
課題背景
「ミュージアムクイズ」は、博物館やくすりについてのクイズに挑戦することで、くすりについて楽しみながら学べるコンテンツです。このUIを制作するにあたり、下記の点を考慮する必要がありました。
- 設置場所に合ったデザイントーンの設計
- どの年代の人にとってもタッチパネルで操作しやすい直感的なGUI設計と、「クイズの楽しさ」を盛り上げる賑やかな見た目の両立
制作にあたり、設置場所のデザイントーンやユーザー層を明確にするところから制作をスタートしました。
プロセス
博物館や設置場所のデザインに合うトーンを設計
「ミュージアムクイズ」が展示される1Fは、テラコッタ(素焼きの焼き物のような色)をキーカラーに、視認性の高いフォントやフラットなイラストを使用するなど、スッキリしたデザイントーンで構成されたフロアです。
「ミュージアムクイズ」のGUI・グラフィックもフロアのデザイントーンに合わせて、黄色味がかったソフトなトーンで設計しました。ボタンなどの操作部分は、背景のソフトなトーンよりも彩度高くして、背景とは違う階層にあることが直感的に感じられるようにしました。
操作のわかりやすい直感的なGUI設計
「ミュージアムクイズ」は、子どもから大人まで楽しめる博物館のコンテンツなので、幅広い年代の方が初見で操作しても迷わないようにする設計が必要です。そのため、操作エリアとそれ以外の部分が判別しやすく、ボタンの押しやすさや、解説の読みやすさを意識したレイアウトなど、タッチパネルに最適化したデザインを検討していきました。
「クイズの楽しさ」を盛り上げるグラフィックの制作
直感的なGUIに加えて、クイズゲームのワクワク感を演出するためのグラフィックも制作しました。
キャラクターの表情によって疑問や喜びなどの感情を表現したり、背景にくすりやくすりにまつわる道具のイラストを使うなど、学びでありながらゲームとしての楽しさを表現しました。
アウトプット
操作は直感的に、画面は賑やかに
クイズゲームの持つ賑やかさと、学習コンテンツの持つわかりやすさを両立したGUIを制作しました。
チーム
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Client公益財団法人中冨記念財団 中冨記念くすり博物館
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Produce株式会社乃村工藝社
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Directionモンブラン・ピクチャーズ株式会社
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GUI Design白砂 貴行(DSCL Inc.)、西澤 知恵里(DSCL Inc.)
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Graphic Design西澤 知恵里(DSCL Inc.)
(チームメンバーの役職などについては、プロジェクト当時のものです。)